ソードアート・オンラインの2巻目です。

読みきりとして書かれた第1巻で、物語は完結しているのに、続きの2巻目があるってのがよくわからなかったのですが、読んでみて納得です。
第2巻は、SAOの舞台であるアインクラッドにおいて、完結までに起きていた「キリトをめぐるサブストーリー」でした。

ふむ、なるほど。

収録されている話は4話ですが、それぞれが「主人公キリトとヒロイン」という形式で書かれています。うん、4人のヒロインが出てくるってことですね。

それぞれのお話に共通点はないのですが、異質なのは4話目の「赤鼻のトナカイ」ですか。この話だけは、救いようがないくらいに悲しい。物語のラストで、非常に長い「ヒロインの語り」が入るのですが、物語はこの「語り」が終わった時点で続きは語られていません。この「語り」を聞いたキリトの感情、思い、考え。そういったものが書かれずに物語は終了します。
通常のMMOというゲームとは異なり、ゲーム中の死=現実の死、というSAOにおいて、仲間の死を受け入れることは、現実同様に難しいものなのでしょう。
私にはキリトの心の内まではわかりませんが、このようなラストと同様の場面に出会ったとしたら、現実にそのようなことが起きたとしたら。

精神が崩壊してもおかしくはないと思います。

4つの物語は短編ながら非常にうまくまとめてあります。
全100層というアインクラッドの攻略において、まだまだ語られていない話があるとすれば、読みたいと思うのは私だけではないでしょう。
この思いは「プログレッシブ」で叶うのですが、このような短編でキリト以外のキャラクターにスポットを当ててもらえるようなシリーズも読んでみたいものです。

※最近刊行された「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン 1巻 スクワッド・ジャム(時雨沢恵一 著)」において、この希望も叶ったのですが、まだ呼んでませんw

SAOがデスゲームと判明したときに、キリトと一緒にいたクラインが、初心者からトッププレイヤーになるまでの話であったり、エギルの店の日常であったり、それはまぁ読んでみたい話はたくさんあります。
作者は忙しいかもしれませんが、スクワッド・ジャムのように、別の作家が書いてみても面白いと思います。

いずれ叶う夢として、そのときが来ることを楽しみに待つとしましょう。

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