表紙がちょーかっこいい・・・

この本って1956年の刊行なんだよ。今から59年も前。
私もまだ生まれていない時代に、こんな小説が書かれていたことに、まず驚く。
私がまだ小学生の頃でも、某猫型ロボットの世界が憧れの未来の世界であったのに、生まれる前にここまで想像の翼が広がっている世界を書いているってのはねぇ。。。
すごい、って言葉しか出てこない。

舞台は25世紀の宇宙。
地球で暮らしていた人間は宇宙の広大な世界へ居住空間を広げていた時代。
そんな時代でも移動には時間がかかるのが常識であったところに、「ジョウント」と呼ばれる制約のあるテレポーテーション能力が人類に備わる。
主人公ガリーはそんな時代に宇宙に取り残されるところから話は始まる。
救われるチャンスに逃げられ、顔に虎の刺青を施される事態に陥ったガリーは、自分を救わなかった宇宙船「ヴォーガ」に復讐を決意する。

主人公ガリヴァー・フォイルの性格設定がすごい。ここまで復讐に取り付かれて、復讐のために行動し、不可能を可能にするような人間は、小説とはいえなかなかいないんじゃないかな。
古典だから、なのかどうかはわかりませんが、少々文章が読みにくいのが難点といえば難点。固有名詞や表現、会話、様々な場面で読みにくい、わかりにくいと感じる部分がありましたが、そんなことが些細なことと思えるくらいに内容はぐいぐいと読ませます。
復讐の象徴、力の象徴のように書かれるガリーが、徐々に内面の変化を見せていく部分は、読者の心をとらえてしまうのではないでしょうか。

決して「善人」とは言えないガリーですが、私には「純粋」な人であると感じました。
他の方はどのように感じるのかな。

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