久々にすごい小説を読んだなぁ。。。
伊坂幸太郎さんの作品を読んだのは初めてですね。

まぁ昔から、なぜか自分が読んでないうちに人気作家となっている作家さんの本は、意識的に読むことを避けてしまう癖がありまして。
理由はわかんないんだけどねぇ。
伊坂さんについても、面白いとは聞いていましたが、読むのも、本を買うこともしないままでした。
で、このゴールデンスランバー。
読もうと思ったきっかけはもう忘れましたが、伊坂さんの作品ならゴールデンスランバーにしようってのは、なぜか決めていたように記憶しています。
本の裏表紙や帯にちょっとだけ物語の内容を書いたりしてありますけど、それを読んで読みやすそうって思ったんだっけかな。

大まかに章で話をわけて、さらに章の中で登場人物毎に視点が切り替わることで物語を組み上げていくのですが、テレビドラマのよに細かく区切ってくれるので、非常に読みやすいし、展開が頭の中に入ってきやすい。
物語も、限定的な広さの中で同じ場所で展開されていくので、それもわかりやすさに一役かってるのかもしれないね。「あれ、この病院ってあの病院?」とか、「いや、あそこに自動車あるやん」とか。あんまり書くとあれなんで、書きませんけどw

主人公の心の動きもすごかった。こんなひどい立場になんてなりたくないけど、確かにこんな立場に立たされたら、この主人公のように考えちゃうんだろうなぁ。
感情移入できるってのとは違うような気もするけど、理解してあげれるような気がする。
周りの人たちに助けられて、自分で考えて行動して、うまくいったりいかなかったり、助けてあげたり助けられたり、最終的に主人公がたどり着きたかった結果とは違うのかもしれないけど、それでも本人はその状況を自分で消化しているようにも見えるね。

こんな終わり方をする小説ってのは、たぶん初めてだと思うんだけど、これは読む人によって評価が変わるのかな。俺は、小説の中で与えられた情報で、やっぱりそうなんだと理解することで、上手に終わらせたなぁと思ったけど、人によっては「何これ、全然すっきりしないでおわってる」と感じる人もいるかもだね。
いや、でもこの終わり方はすごいよ。
伊坂さんの小説を、もっと読みたいと思う一冊でした。

いや、本当にお見事でした。

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